島根は西地区で2位と好調をキープしている勢いのあるクラブだ。ここまで同一カードの連敗はなく、非常に安定したチーム力を見せている。平均得点はリーグ3位の87.6点で、3ポイントシュートの試投数、成功数は共にリーグ2位と島根の得点源となっている。リーグ3位のオフェンスリバウンドから攻撃に繋げ、シュート本数がリーグで最も多いのも得点力を上げる大きな要素となっている。また、ターンオーバーがリーグで最も少なく、チームとして機能していることを物語っている。その洗練されたチームを引率しているのはA東京から加入した日本トップレベルの司令塔である安藤選手と三河から加入した日本屈指のシューターの金丸選手だ。外国籍選手は昨年から在籍しているインサイドで圧倒的な存在感を示すトラビス、オールラウンダーのビュフォード、新加入で安定した力を見せているケイとバランス良く選手を揃えている。後半戦に向けチーム力がより高まれば今シーズンの台風の目となるだろう。

島根の注目選手は2年目のトラビス選手。得点力が非常に高いビッグマンで得点ランキングではリーグ5位につけている。リバウンドでもランキングで8位と島根のインサイドの要として、なくてはならない存在となっている。

リーグ屈指の得点力を誇る島根に対してフェニックスが激しいディフェンスでどれだけ苦しめる事が出来るかが最大の鍵となる。ターンオーバーがリーグ最少の島根に対し、フェニックスはアグレッシブにディフェンスを仕掛け、島根の度肝を抜きたい所だ。特に3ポイントシュート成功数が多い島根に対し、出来るだけタフなシュートを打たせたい。また、オフェンスリバウンドが強い島根に対して全員が意識を持ち、リバウンドをもぎ取り速攻に繋げる事が勝利への必須条件となる。気迫を前面に出し、泥臭くリバウンド、ルーズボールに絡みたい。調子を上げてきているハリス選手のインサイドを中心にオフェンスを組み立て、日本人選手が3ポイントシュートを高確率で決める事が出来れば、フェニックスの勝利が見えてくる。

フェニックスの注目選手はビッグマンの太田選手。出場試合数Bリーグ1位の記録を更新し続けている“鉄人Bリーガー”。体を張ったディフェンスには定評があり、外国籍選手にも臆することなく戦う姿勢は見る者の心を揺さぶる。長年の日本代表で得た経験と知識を若手選手に伝える役割も果たしている。